平成31年都市整備委員会 2019-02-15

◯滝田委員 私からは多摩都市モノレールの運賃値下げに関する請願について幾つか質問をさせていただきます。
 本件については、おととし十一月にほぼ同内容での陳情が上がってきておりまして、この都市整備委員会で、私、質疑をさせていただきましたので、簡潔に伺ってまいります。
 おととしの質疑では、運賃の設定方法や、特に通学定期についてほかの鉄道と比べて料金が高いとはいえないということを確認させていただきました。
 また、モノレールの延伸について、検討の具体化を進めている中で、事業採算、経営体力をしっかりと高めていくことも大切であり、運賃のあり方を審議する上では、総合的な経営状況から判断していく必要があると意見をさせていただきました。
 おととしの確認事項の再確認となりますけれども、他の鉄道との運賃比較について、再度ご説明をお願いいたします。また、多摩都市モノレール株式会社の経営状況につきまして、最新の状況をご説明願います。

65◯荒井都市基盤部長 一般に、モノレールを含む鉄軌道は、建設時における初期投資が多額であり、とりわけ開業からの経過年数が比較的短い新規路線は、減価償却費や支払い利息などの負担が重く、それらが運賃に転嫁されてございます。
 こうした前提を踏まえまして、比較的新しい他のモノレールや新交通システム、鉄道と比較した場合、多摩都市モノレールの運賃及び通学定期券とも大きな差異はないと考えております。
 また、多摩都市モノレール株式会社の経営状況でございますが、平成二十九年度における一日平均乗車人員は十四万二千人余りとなり、過去最高を更新しており、同年度の決算は、営業収益が八十七億円、経常利益が十七億円、当期純利益が十億円となってございます。
 一方で、平成十年の立川北-上北台間の開業から二十年を迎えており、安全で快適な利便性の高い輸送を行うためには、老朽化した施設や設備の大規模修繕など、設備投資を進めていく必要がございます。
 また、都を初め関係自治体からの無利子貸付金の返済などを確実に実施していくことも課題でございます。

66◯滝田委員 ご説明ありがとうございます。おととしの質疑と状況は大きく変わっていないということを確認させていただきました。
 設備更新や今後の延伸計画などを見据えて、経営体力を高めていくことが最重要と考えますけれども、経営課題について、どのような目標を定めて、戦略的に事業性を高めているのか、取り組みを伺います。

67◯荒井都市基盤部長 多摩都市モノレール株式会社では、昨年六月に今後四年間において会社が取り組むべき具体的な施策を示した中期経営計画を策定しており、目標として、安全の確保、お客様サービスの向上、沿線地域との連携、経営基盤の強化を四つの柱として位置づけてございます。
 この計画に基づきまして、会社では、今年度、安全の確保に資する運行管理システムを更新しているほか、来年度以降も信号保安設備、車両設備、通信設備の改修、利用者の快適性、利便性を高める駅舎のリニューアルなど、さまざまな設備投資を計画的に行うこととしております。
 また、こうした設備投資を円滑に進めていくため、安定した運輸収入の確保はもとより、附帯事業の着実な増収など、自立した財務基盤の確立に取り組むこととしております。

68◯滝田委員 昨年六月に策定されました中期経営計画については、私も拝見させていただきました。
 一言申し上げますけれども、民間企業と比較しまして、数値目標やKPIの設定など、十分な内容とはいえません。今後、別の質疑の際に細かく述べさせていただきますけれども、次期計画策定に向けては、今から計画方法の研究をしていただきたいというふうに思います。
 おととしの質疑において、私からの指摘に対して、今後、会社では、コスト削減に努めることはもとより、自治体や大学、企業といった地域の多様な主体と積極的に連携することで、こうした取り組みをより一層推進していくとともに、ダイヤの見直しや多言語案内の充実等のサービス向上に取り組むことで、乗車人員の増加を図り、収益の拡大につなげていくとしていると答弁がありました。
 ついては、この一年三カ月でどのような取り組みが進捗できているかお伺いをいたします。

69◯荒井都市基盤部長 多摩都市モノレール株式会社では、中期経営計画を踏まえるとともに、昨年十一月二十七日に開業二十周年を迎えたことから、これを契機として、地域に愛されるブランドづくりを進めることとし、新たなブランドスローガンや二十周年記念のロゴマークを定めるとともに、地域との一層の連携やお客様サービスのさらなる向上に取り組んでおります。
 地域との連携では、地元自治体と連携したスタンプラリーやウオーキングイベントの開催などに加え、今年度は駅構内での音大生によるクリスマスコンサートを新たに実施するなど、地域に密着した取り組みを展開しており、今後も沿線地域や企業、団体等が実施するイベントへの参画などを積極的に検討するとしております。
 また、お客様サービスの向上では、駅や車内での案内表示を二カ国語から四カ国語とするように努めております。
 さらに、開業以来、初めての本格的なダイヤ改正をことし三月に実施することとし、始発列車の繰り上げや最終列車の繰り下げを行うとともに、通勤通学時間帯の混雑緩和や遅延防止に対応するなど、利便性の向上を図るとしております。
 会社ではこうした、沿線に住みたい、モノレールを使いたいと思っていただけるような取り組みを進め、沿線地域のさらなる活性化に貢献することとしております。

70◯滝田委員 説明いただきました取り組みも含めて、今後施策の数値目標やKPIを定めて、経営のレベルアップを図っていただきたいというふうに思います。
 また、先ほど説明がありましたけれども、ダイヤ改正について、乗りかえのスムーズさや始発、最終の運行時間拡大などは、利用者の多くが求めておりましたので、三月の改正に期待をしております。
 利用者の利便性を上げて、利用を促進することに今後も努めていただきたいと思いますが、特に平日の夜や休日などにおいて、モノレールを利用して拠点駅に出てもらうということは、まちの活性化や消費の拡大にもつながります。
 乗車率の低い時間帯を活用しての乗車人員の増加にもなるものです。必ずしも学生向けだけというわけではありませんけれども、例えばドイツなどの海外では、グループ乗車や週末に大きな割引をする鉄道があるなど、工夫が見られます。
 定期券利用者以外の利用を拡大する上での取り組みについて考えを伺います。

71◯荒井都市基盤部長 多摩都市モノレールでは、気軽にモノレールを利用できるよう、全線にわたり、一駅のみ乗車した場合の運賃を百円に割り引く制度を導入しております。
 また、一日に何度でも乗りおりできる乗車券はもとより、沿線の大規模商業施設と連携した割引つき乗車券や多摩動物公園や昭和記念公園等と連携した乗車券、沿線五市の利用者を対象としたプロ野球観戦を含めた乗車券など、さまざまな企画乗車券を販売しております。
 さらに、ワイン列車やビール列車などの企画列車の運行、沿線行事や大学の行事等に合わせた臨時列車の運行なども行っております。
 会社としては、今後もこうした取り組みを積極的に進め、より多くの方々にモノレールを利用していただくよう努めていくとしております。

72◯滝田委員 おととしも申し上げましたけれども、多摩都市モノレールは、地域密着型の交通網であります。地元や民間の取り組みとしっかり連携していただくことで、社会的価値をさらに高めることができるのではないでしょうか。単純な運賃値下げではなくて、違った形で利用者や周辺地域に還元していく形が現時点では望ましいのではないかと私は考えます。
 以上の意見をもちまして、私からの質問を終わります。

平成31年都市整備委員会 2019-02-15
トップへ戻る