平成29年都市整備委員会 2017-09-29

 

◯滝田委員 本日の説明では省略されましたが、私からは、八王子都市計画区域区分の変更につきまして四点質問いたします。
 八王子市にて進めている川口地区物流拠点の整備に当たり、市では、区画整理事業にあわせて、地区計画の指定、用途地域の変更等を行います。それにあわせ、都としては、区域区分の変更を行い、当該区域を市街化調整区域から市街化区域へ編入を行います。市街化調整区域は、市街地の無秩序な拡大を抑制するために指定しておりますが、必要な要件を満たせば市街化区域に編入することが認められます。
 まず、基本的な質問となりますが、都としての市街化区域への編入基準と、当該案件の妥当性についてお伺いをいたします。

57◯久保田都市づくり政策部長 都は、平成十四年七月に策定をいたしました市街化区域及び市街化調整区域の設定方針等におきまして、市街化区域の設定基準を定めております。
 具体的には、都市計画区域マスタープラン等で位置づけられた土地区画整理事業等をおおむね三年以内に着手することが確実な区域で、当該事業に関する都市計画が、市街化区域と市街化調整区域との区分の変更と同時に定められる区域などに該当していることなどを要件としてございます。
 本件につきましては、平成二十六年十二月に一部改定をいたしました都市計画区域マスタープランにおいて、市街地整備の見通しが明らかになった段階で、市街化調整区域から市街化区域に編入すると位置づけられておりまして、また、本地区において、組合施行による土地区画整理事業が三年以内に着手することが確実になったこと等から、設定基準に合致をしてございます。

58◯滝田委員 ご説明いただきました都の定める市街化区域及び市街化調整区域の設定方針等には、多摩地域について、人口、産業及び住宅宅地需給の現況及び将来の見通しを踏まえて市街化区域を設定するとの方針も記載があります。
 一方、そもそも多くの都市計画の決定権が基礎自治体にある中で、区域区分については都道府県が定めることとされています。これは、広域的な見地から判断する必要があるためと制度的な趣旨を理解します。
 ついては、当該地区の整備において、物流環境を踏まえた都としての広域的な位置づけについてお伺いをいたします。

59◯久保田都市づくり政策部長 東京都西南部は、相対的に流通業務施設の立地が少なく、流通機能が不十分であることから、都が平成十八年二月に策定をいたしました総合物流ビジョンにおいて、多摩地域の物流機能強化の考え方について位置づけられたところでございます。
 都は、平成二十年五月、東京都西南部の流通業務施設に関する整備方針を定め、当地区を検討する候補として示しております。これに基づきまして、八王子市が物流拠点の整備に関する検討を行ってきてございます。

60◯滝田委員 ご説明いただきました広域的な位置づけにある東京都西南部の流通機能の強化という目的がしっかりと実現するように、ぜひ地元自治体と連携して進めていただきたいと思います。
 周辺では都道整備が計画されており、地元市と建設局の間で協議されていると理解します。当該物流拠点の整備進捗、流通や防災上の広域的な役割、地域交通環境への影響なども鑑みて、早期整備の必要があれば遅滞なくお願いいたします。
 いずれにしましても、取り組みを点ではなく面にしていけるように、連続的、重層的な仕掛けを進めていただきたいと思います。
 次に、防災の観点から質問いたします。
 前回定例会にて、多摩地域に物流拠点を整備していくことは、災害時の救援活動を行う上でも重要とお答えいただいておりますが、災害時の拠点活用に関して、どのように地元の計画に落とし込まれているか、ご説明をお願いいたします。

61◯久保田都市づくり政策部長 平成二十七年三月に策定をいたしました第二次八王子市都市計画マスタープランを踏まえ、今回、市が決定する地区計画におきまして、災害時に救援物資などを輸送するための防災拠点としての機能強化や、広域的な防災機能の強化がなされるというふうにされているところでございます。

62◯滝田委員 最後に、緑地や自然環境への配慮について伺いたいと思います。
 今後、都においても、中長期では人口減少へと転じることが想定される中で、市街地の安易な拡大は好ましくありません。また、都や基礎自治体の各種計画においても、緑地や自然環境の量的な確保、質的な向上がうたわれております。
 そのような中で、当該地区の整備に関して緑地をどのように確保していくのか、お伺いいたします。

63◯久保田都市づくり政策部長 平成二十二年三月の八王子市みどりの基本計画では、本地区において緑と調和したまちづくりを進めることが重要とされてございます。
 こうした方針を踏まえ、土地区画整理事業の実施により、自然環境の保全とあわせて、自然環境と触れ合うことのできる散策路の整備など、多面的な機能の導入を図るため、計画地の約六割に相当する都市計画公園が整備をされます。あわせて、道路等の公共施設や造成のり面の緑化により緑の確保が図られます。
 市は、流通業務用地において、屋上緑化等を含め、市条例の基準以上の敷地内緑化の実施を進出企業に指導し、緑の確保に十分配慮された計画とすることとしてございます。

64◯滝田委員 里山としての環境を整え、自然への影響を最低限に抑える、また、物流拠点として使う部分にも緑化を進めていく、こうしたことで、地元八王子市の方でも、緑地総量を極力減らさない取り組みをかなり踏み込んで実施しようとしているものと理解しております。
 都としても、先日発表した都市づくりのグランドデザインにおいて、二〇四〇年代に向けて、中長期では緑地の総量を減らさない方針を掲げております。
 首都東京の国際競争力強化のために、必要な開発は進める必要があります。しかしながら、開発に当たっては、緑地を維持するために最大限の配慮をする。他方、新たな緑地整備も計画的に進めていくことが肝要と考えます。
 長期的には、緑地の総量を減らさないということを実現するために、強い意思を持って、規律を緩めることなく、都としても取り組んでいただきたいと思います。
 また、当該物流拠点整備の上位計画となっている都の総合物流ビジョンは、制定の平成十八年から十年以上経過しております。その間に、供給面では、圏央道周辺の物流拠点整備が相当程度進んでいます。また、需要面も、物流は増大傾向にありますが、ニーズも変化してきております。一方で、大規模災害への備えという観点も、当時の想定とは異なるものがあります。
 改めまして、総合物流ビジョンの見直しの要否については、ぜひ検討をお願いいたします。
 以上で私からの質問を終わらせていただきます

平成29年都市整備委員会 2017-09-29
トップへ戻る