◯滝田委員 私からは第五・七・一八号明治公園の都市計画変更につき、二点質問いたします。
当該都市公園は、新国立競技場と一体的に整備され、周辺地域や主要駅からのアプローチに当たり、特に、新競技場の森をつなぐ緑のネットワークのコンセプトにおいて、重要な役割を担っていると理解しています。
今回の都市計画の変更は、立体都市公園に設定している範囲を一部削減することになります。構造的には競技場南西部の一部が二層から一層となります。つまり競技場から見ると、一階に当たるデッキ上に予定されていた緑地せせらぎが外苑西通りに面する地上部に移されることになります。
そこで、一つ目の質問になりますが、新たな計画により、もともと考えられていた競技場のコンセプトである緑のネットワークや人の流れ、特に回遊性はしっかりと保たれるのかお伺いいたします。
136◯久保田都市づくり政策部長 神宮外苑地区地区計画の公共施設等の整備の方針では、地区に隣接する各駅から地区内のスポーツ施設等への歩行者の移動を円滑化し、回遊性を創出するため、安全で快適なバリアフリー動線を整備することとしてございます。
現行の明治公園の都市計画につきましては、この地区計画の方針を踏まえ、地形条件等を考慮しながら、立体的な歩行者ネットワークを形成する計画内容としてございます。
今回の都市計画の変更は、先ほど申し上げましたネットワーク機能を満たすとともに、可能な限り地上部の公園範囲を確保するため、デッキ部分の一部を削除するものでございます。
これらにより、今回の計画変更によっても、地区計画で目指しております緑のネットワークや歩行者の回遊性は確保することとなるものでございます。
137◯滝田委員 恒久施設を抱えることになる東京都にとっては、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会の後も見据え、競技場の内部だけではなく、外部空間も魅力的な環境整備を進める必要があります。
広域的、横断的な視点を持つ都市整備局としても、森をつなぐ緑のネットワークの実現、訪れる方々の目線に立った、利用しやすい空間をしっかりと形成していくために、関係部局、関係事業者との密な連絡をとり、働きかけをお願いいたします。
二点目の質問になりますが、計画変更のメリットにつきまして再確認させていただきたいと思います。
人工地盤ではなく、地上部に植樹できるようになることで、具体的にどのような植栽の変更や緑地デザイン上の改善が想定されるのか、説明をお願いいたします。当該緑地スペースの利用イメージについてもお伺い申し上げます。
138◯久保田都市づくり政策部長 今回の都市計画の変更は、緑のネットワークや歩行者の回遊性に必要な機能を満足した上で、なおかつ可能な限り、地上部の公園範囲を確保するものでございます。
今回の変更によりまして、デッキ上に予定しておりましたせせらぎについては、地上部に整備することとなり、かつての渋谷川の記憶を再現する自然的な親水空間が創出されます。
また、保全できる既存樹木の量がふえるほか、外苑西通りの街路樹と連続するまとまった緑の空間を地上部において整備することによりまして、道路の歩道空間との一体利用が可能となるスペースがより広く確保されることになります。
139◯滝田委員 約千六百億円の巨費を投じる新国立競技場と周辺インフラの整備に当たっては、大会の成功やその後の運営管理の視点だけではなくて、長期的なまちづくりにつながることも期待されています。スタジアムそのものの魅力に加えて、公園緑地の持つ多様な機能、憩いの空間、にぎわいの創出を生み、周囲のエリアの価値を高めていくことが求められます。
当該緑地及び隣接する都営霞ヶ丘アパートの跡地に予定されている公園の整備や活用について、神宮前から原宿、表参道方面への競技場南部の地域をどのようにしていくのか、建設局や地元自治体と連携し、エリアづくりをする観点から進めていくことを要望いたします。
また、今回の計画変更により、デッキ部分は約三千平米減ることになります。一定の事業費削減の効果もあると思われます。デッキ整備の事業者は、日本スポーツ振興センターであり、当初の事業費の範囲内で整備を行う方針であると理解しております。
一方で、事業費の四分の一を負担する東京都としても、引き続き事業主体である同センターや施工業者と協力して、コストを抑制しながら整備を改良していくことに取り組んでいただきたい。重ねて要望いたします。
以上をもちまして、私からの質問を終わらせていただきます。