◯滝田委員 私からは、令和二年度一般会計当初予算、建設局所管分及び東京都道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例、そして葛西臨海水族園の更新に向けた事業計画についての報告事項について質問していきたいというふうに思います。
昨年十二月に、我が会派から都知事に提案をいたしました長期戦略への提言におきまして、目指す姿の三本柱の一つに、自然と都市の融合というテーマを掲げさせていただいておりまして、緑、水辺、空などの自然と都市との融合の進展、緑の量、質、そして緑へのアクセスの向上をゼロエミッション東京の実現や災害対応力の強化につながるグリーンインフラの推進とともに、主要な内容として提案をいたしました。
建設局だけではなく、都市整備局、環境局、産業労働局などと連携をして進めていく施策ではありますが、我が会派として、しっかりと後押しをしていければというふうに思います。
この中でも特に緑の確保、緑の創出、緑の質の向上といったものは、都市から緑が失われていってしまうという状況から転換をし、あらゆる機会をもって公有の緑、民地の緑をふやしていく取り組みを進めていくべきです。
今定例会の一般質問におきまして、我が会派の佐野都議が改めて、東京における一人当たり公園面積について指摘をいたしました。区部では四・三平米ということでありまして、ニューヨークの十八・六平米、ロンドンの二十六・九平米などとは比較にならないほど少ない数字でございまして、都市ランキングで東京の環境面の評価が低いのは、これでは当然ではないかという指摘をしておりました。
加えて、以前、私もこの委員会でご紹介をしておりますが、ニューヨークやシンガポールなどの長期計画では、一人当たり公園面積という量の議論を超えまして、住まいから十分以内に緑地や公園を確保するといった緑へのアクセスという観点が導入をされています。
十二月末に発表された東京都の長期戦略ビジョンにおきましても、緑あふれる東京プロジェクトとして、緑の確保に向けて政策を総動員していくという兆しが見えたことについては大きな一歩だというふうに思っております。
ぜひ関係各局との連携も深めて、来年度の長期計画の取りまとめに向けては、緑の量の確保、質の向上に加えて、アクセスの視点も入れて取り組んでいただくことを求めておきたいと思います。
まず、量の確保について伺いたいと思います。
長期戦略ビジョンにある緑あふれる東京プロジェクトも踏まえ、一人当たり公園面積が海外他都市などと比較していまだ少ないという状況に対して、新たな都立公園整備にどのように取り組んでいくのかお伺いをしたいというふうに思います。
6◯細川公園計画担当部長 本年二月、都市整備局が都市計画公園・緑地の整備方針の改定案を公表しております。都事業として四十四公園、約二百八十二ヘクタールを優先整備区域に設定しております。
今後改定される都市計画公園・緑地の整備方針に基づき、都市計画公園、緑地の事業化に計画的に取り組み、公園整備を推進してまいります。
7◯滝田委員 公園の整備ということをしっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。
次に、質の向上について聞いていきたいというふうに思います。
我が会派ではこれまで、より魅力的で多面的な機能を有した公園を民間のアイデアやノウハウを活用しながら実現していくべきとのことを折に触れて求めてまいりました。
私自身、二年前の初めての一般質問から、このことについては主張を続けておりまして、公園活用の原則として、都市戦略としての位置づけ、多面的活用、民間の活用、この三本柱をその際にも提起をしておりました。
この間、駒沢公園における民間レストランの導入が行われたり、民間活用のためのサウンディング調査を実施したりというところでございますが、よりさまざまな形で民間活用が実現していくことを期待しておきたいと思います。
そのような中で、長期戦略ビジョンでは、都立公園において、民間活力の導入や誰もが利用しやすい公園等の整備を目指していくとの記載がございます。
今後どのように取り組んでいくのかお伺いしたいと思います。
8◯細川公園計画担当部長 未来の東京戦略ビジョンにおいて、政策目標として、民間活力を導入した都立公園のにぎわい創出では、二〇三〇年に多面的な活用を進めた公園を十公園とする目標を設定しております。
来年度は、明治公園及び代々木公園において民間事業者の公募を行います。また、同じく政策目標として、誰もが利用しやすい公園等の整備を十公園で完了させるとしております。
来年度は、各公園の園路などの現状を調査し、バリアフリーなどの整備を公園単位で集中して進めるための計画を策定していくこととしております。
9◯滝田委員 こうした取り組みをぜひ進めていただきたいというふうに思います。
十公園ずつ整備をするというのも初めて言及しているのかなというふうに思いますが、先日の予算特別委員会で我が会派の平慶翔都議が、公園大改革に求められているものに対して、人員の増強も含めて考えていくべきではないかということについても指摘をしておりました。
私もそのように捉えておりまして、八十二もの都立公園を抱えておりますので、さまざま新しい取り組みが求められている中で、ぜひ、より迅速に進められる体制ということについても検討していただきたいということを求めておきます。
次に、都立公園の機能強化として、三点伺っていきたいと思います。
まず、防災機能です。
都は、避難場所等に指定されている都立公園において、非常用電源の確保や照明施設の拡充に取り組んでおりますが、いまだ完了していない都立公園もあることから、今後どのように取り組んでいくのか伺います。
10◯細川公園計画担当部長 都は、東京都地域防災計画等で、震災時の避難場所や救出救助部隊の活動拠点となる公園について、停電時も管理所等の主要施設が機能を発揮するよう、非常用電源の設置や安全な避難のための照明灯の改修などを進めており、これまでに、対象となる六十二公園のうち二十七公園で工事に着手しております。
非常用電源や蓄電池を備えた照明灯の工事につきましては、近年の地震や台風の被災状況を受け、設備の需要が高まっており、資材や技術者の不足による契約不調や工期の延長などが生じております。
このため、債務負担行為を活用した発注時期の平準化や十分な工期の確保に加え、複数公園の工事をまとめて発注するなどの工夫を行い、着実に整備を進めてまいります。
11◯滝田委員 我が会派では、災害対応拠点となる区市町村庁舎、災害拠点病院、避難所など、災害時の非常用電源の確保についてはさまざま提案してまいりました。
避難場所等となる都立公園の非常用電源の確保について、今、課題もあるとのことで工夫をしていくということでございましたけれども、ぜひご尽力をいただきまして、早期の整備をお願いしたいというふうに思います。
また、都立公園には多くの外国人も訪れますけれども、多言語対応について伺います。
案内標識などの多言語化を進めることに加えて、都立庭園や動植物園などの有料施設においては、多言語ガイドやアプリなどの整備も重要であるというふうに考えます。
都立公園や庭園、動植物園における多言語対応について、これまでの取り組み状況とともに今後の取り組みについて伺います。
12◯細川公園計画担当部長 これまで、多言語対応の案内サインの設置を進めるとともに、文化財庭園や動物園では、園内案内パンフレットの多言語化、携帯端末を活用した多言語対応の解説アプリの導入や外国語による庭園ガイドサービスの提供などに取り組んでまいりました。
このうち多言語対応の案内サインの設置につきましては、東京二〇二〇大会の競技会場等が隣接する葛西臨海公園など二十二公園を対象として、ことし六月までに全公園で完了いたします。
今後、さらに公園などにおける多言語対応を進め、魅力ある公園づくりに努めてまいります。
13◯滝田委員 ぜひ今後も取り組みを進めていただきたいと思いますが、また、公園内の売店におきましては、英語等の外国語表記メニューであったり、あるいはタブレットでの多言語対応なども工夫をすれば、それほど導入コストや時間がかかるわけではありませんので、早期に実施をしていくよう改めて対応を求めておきます。
多言語でのガイドアプリでありますけれども、多言語であるというだけではなくて、海外事例や他施設などの事例も参考にしまして、魅力が伝わり、来園者が一層楽しめるという観点のアプリの開発というものをお願いしたいというふうに思います。
次に、有料施設や売店のキャッシュレス化への対応も、国内のキャッシュレス化の推進と、外国人旅行者への対応の両方の観点で、重要であるというふうに考えます。
都立公園や庭園、動植物園におけるキャッシュレス化について、これまでの取り組み状況とともに今後の取り組みを伺います。
14◯古川公園緑地部長 入場料が必要な動物園、文化財庭園等におきましては、現在、クレジットカードや電子マネーの利用が可能であり、令和二年度にはQRコード決済の導入など、キャッシュレス化のさらなる充実に取り組んでまいります。
都立公園内の駐車場でもキャッシュレス化に順次取り組んでおり、七公園の駐車場において昨年十二月に先行導入し、今後拡大してまいります。
また、上野恩賜公園や代々木公園など外国人が多く訪れる公園の売店や利用金額が多いバーベキュー売店などから、クレジットカードや電子マネーの導入に取り組んでおります。
今後とも、キャッシュレス化の拡充を図り、都立公園における一層の利用者サービス向上に取り組んでまいります。
15◯滝田委員 きょうは質問としませんけれども、インクルーシブ公園の取り組みにつきましても、我が会派の龍円あいり都議が一般質問で詳しく取り上げております。まず、府中の森公園と砧公園でしっかりと開園をいただきまして、その意義を広く理解を広めていただきたいというふうに思います。
加えて、求めております基礎自治体でのインクルーシブ公園の取り組みについても、支援の施策を考えていただきたいということでよろしくお願いを申し上げます。
次に、河川について伺います。
昨年の台風十九号での被災を踏まえたソフト面の対策として、河川カメラの設置拡大については、事務事業質疑に引き続きまして、先週の私の予算特別委員会での質問でも取り上げさせていただきました。迅速に取り組んでいただいておりまして、今般、予算にも計上され、具体化に向けた前向きな答弁もありましたことを高く評価しております。
一方で、ハード面での対策強化ということも当然必要でございます。都では、まず、次の梅雨時、出水期までに被災をした護岸の復旧を完了するということでありました。
一方で、狭小箇所などの危険性の高いところの解消を図っていくことが緊急対策で取りまとめられておりました。
昨年、実際に被害が出たのは、八王子など多摩地域の西部の地域でありまして、中小河川での対策の強化というものを求めていきたいというふうに思いますけれども、長期戦略ビジョンを見ますと、区部での対策に比べて、記載内容がちょっと弱目ではあったんじゃないかというふうに感じておりまして、しっかり取り組んでもらうことを確認したいというふうに思います。
台風十九号の被災状況を踏まえ、多摩地域の中小河川の整備を加速するとともに、上流部も含めて、河川の狭小箇所など、危険性の高いところについては早期に対応を図っていくべきでありますが、見解と今後の取り組みを伺います。
16◯小林河川部長 多摩地域を流れる河川の安全性を早期に向上させていくためには、各河川の特性を踏まえ、流下能力の向上を図っていくことが重要でございます。
そのため、令和二年度は、谷地川、川口川など十八河川で護岸整備を行うとともに、浅川の南浅川合流点におきまして、事業化に向けた検討を推進してまいります。
また、昨年被災した南浅川の上流部などにつきましては、河道内の狭窄部や構造物の調査に着手しており、来年度中に取りまとめをいたします。
今後、その調査結果を生かし、局所改良によりボトルネックを解消してまいります。
水害に強いセーフシティーの実現に向け、多摩地域の河川整備を推進してまいります。
17◯滝田委員 私の地元八王子市内を初めとしまして、大変関心の高いところでございます。今、力強い具体的な答弁をいただきましたので、中小河川の整備促進、局部改良によるボトルネックの解消を着実に進めていただくようにお願いをしたいというふうに思います。
関連しまして、土砂災害対策については意見のみとしますけれども、四定の一般質問で我が会派の清水やすこ都議が求めましたが、特に避難所が含まれているなど優先度が高いところで砂防事業を進めるなどとともに、ソフト対策についても引き続き強化をして、命を守る取り組みというのを進めていただきたいというふうに要望しておきます。
次に、道路に関してお伺いいたします。
本日は時間が限られておりますので、後ほど我が会派のほかの委員からも質問いたしますが、多摩地域の幹線道路の整備として、多摩南北、東西道路の着実な整備に加え、南多摩尾根幹線や北西部幹線道路についても着実な整備を求めておきます。
私からは、交差点すいすいプランについて伺います。
渋滞解消という観点では、既存道路の交差点改良の事業は、費用対効果の高い事業であるというふうに考えています。
ついては、第三次交差点すいすいプランについて、取り組み状況と私の地元八王子市内での事業箇所について進捗をお伺いいたします。
18◯花井道路保全担当部長 第三次交差点すいすいプランは、道路幅員の狭い片側一車線の道路に新たに右折車線などを設置し、右折待ち車両による渋滞を緩和するもので、多摩地域を中心に事業を推進しております。
整備対象箇所七十六カ所のうち、現在二十四カ所で完成または一部完成しております。
八王子市内では北野街道や秋川街道などの九交差点が整備箇所となっておりまして、このうち館町和田及び楢原町交差点の二カ所で一部完成しております。
また、長沼駅入り口交差点におきましては、来年度より右折レーン設置に向けた道路改良工事に着手する予定でございます。
引き続き、地域住民の理解と協力を得ながら事業を推進してまいります。
19◯滝田委員 また引き続き着実な事業推進をお願いしたいというふうに思います。
次に、無電柱化について伺います。
これまで、私の事務事業質疑や我が会派の代表質問などで、無電柱化の推進について求めてまいりました。直近では、これまで電柱がふえる可能性のある要因であった区画整理事業や、宅地開発などにおける無電柱化についても進めていくということになったことを、これは都市整備の領域ではあるかもしれませんけれども、評価をいたします。
また、区市町村の無電柱化の推進については、事務事業質疑におきまして、駅周辺など中心市街地や人が集まるところでも加速できるように求めました。
その際、駅周辺の中心市街地などでも一層活用ができるよう、財政支援の内容や活用方法などについて、連絡会議等で周知を図り、推進していくという答弁がございました。
その後、区市町村との連絡会議など、区市町村における無電柱化の支援についてどのように推進しているのかお伺いをいたします。
20◯花井道路保全担当部長 都内全域で無電柱化を推進するためには、都内道路の約九割を占める区市町村道の無電柱化を一層促進することが重要でございます。
さきの一月に開催いたしました推進連絡会議では、四十九の区市町にご参加いただき、例えば駅周辺の中心市街地などでも活用できますよう、都から、財政支援、技術支援の内容や補助の活用方法、手続等について説明いたしました。
さらに、無電柱化チャレンジ支援事業を活用した取り組みといたしまして、新たな管路材や電線等の埋設深さを浅くする手法などを導入し、コスト縮減を図った事例などにつきまして共有化を図ったところでございます。
今後とも、区市町村を支援し、都内の無電柱化の推進に努めてまいります。
21◯滝田委員 ぜひよろしくお願いします。
区市町村、特に多摩地域の自治体では、土木系の技術人材が不足している、無電柱化の経験がないなどの人材面でも課題があると、そのように認識をしております。そうした区市町村側の課題がありまして、補助率を四分の四に高めたとしても、なかなかすぐに無電柱化の事業が出てこないというのがあるように思います。
連絡会議などの機会を通じて、区市町村側の課題に対応するとともに、人材や経験の不足を補う支援を強化することを求めておきます。
なお、先週の予算特別委員会におきまして、我が会派の藤井あきら議員から、市町村の技術職員不足に都としても支援を行う必要があるということを指摘いたしまして、知事から、市町村長からも課題と聞いておりまして、東京二〇二〇大会後の人員状況等も踏まえて、都から市町村への技術職員の派遣を、これまで以上に積極的に進めるという答弁がありました。これは多摩地域の無電柱化や道路整備においても非常に重要な要素と思いますので、こちらでも触れさせていただきたいと思います。
さて長期戦略ビジョンにおいては、環七内側の範囲まで都道の無電柱化について重点整備のエリアを拡大して取り組むとしております。また、島しょについても無電柱化を進めるというふうにしております。
一方で、多摩地域の言及がないということについては一言申したいというふうに思います。多摩地域においても防災上重要であるところはたくさんあるわけです。電柱が倒壊して救急車両が通れない、支援物資が届かないということがないように、多摩地域でも優先順位をつけて、無電柱化された幹線ネットワークといったものを形成していくべきであるというふうに考えます。
来年度、無電柱化加速化戦略を策定することとしておりますけれども、どのような内容を整理していくのか伺います。また、多摩地域の扱いについても一定の整備をすべきと考えますが、見解を伺います。
22◯花井道路保全担当部長 都はこれまで、センター・コア・エリア内の整備を進めるとともに、多摩地域におきましても、都市防災機能の強化に重要な役割を果たす第一次緊急輸送道路や主要駅周辺などで無電柱化を推進してまいりました。
さらなる無電柱化の推進に向け、平成三十年三月に策定した東京都無電柱化計画では、第一次緊急輸送道路のほか、災害時の拠点となる区市町村庁舎や災害拠点病院を結ぶ都道にまで拡大するとともに、平成三十一年三月に改定した東京都無電柱化推進計画では、稲城市内の都道などを整備対象に位置づけました。
来年度は、これまでの取り組みを一層拡充させるため、無電柱化加速化戦略を策定し、多摩地域を含めた第一次緊急輸送道路などの都道の整備はもとより、区市町村への支援拡充や民間開発に合わせた無電柱化を進め、都内全域での無電柱化を加速させてまいります。
23◯滝田委員 ぜひ無電柱化加速化戦略や、都の長期計画における多摩地域の無電柱化について言及していただくように求めます。
また、具体の優先整備を整理していく際には、多摩地域においては、幅員の狭い都道でも地域における防災上の優先度が高い場所もあるというふうに聞いておりますので、その点にも今後考慮をお願いしたいというふうに思います。
次に、東京都道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例について伺います。
受益者負担の適正化を図るため、定期的に単価を見直ししており、今回は平成二十六年以来の改定と聞いております。
ついては、道路占用料の単価の算定を都ではどのように行っているのか伺うとともに、今回の改正事由についての概要を伺います。
24◯前田道路管理部長 東京都道路占用料等徴収条例に定める占用料の単価は、固定資産税評価額をもとに算定しております。
具体的には、固定資産税評価額に占用面積や使用料率などを乗じて積算した金額に、現行単価の一・五倍を上限とする激変緩和措置、国道占用料との均衡といった要素を考慮して単価を算定しております。
今回の改正事由は、令和元年度の固定資産税評価額を反映したことによるものでございます。
25◯滝田委員 激変緩和措置とともに、国道の占用料との均衡の観点から、都道の占用料にも制限があるというのが現在の算定の考えとなっていると理解をいたしました。
この現在の算定の考え方というのは、条例に定められているものでしょうか。あるいは国で定めている基準などがあるのでしょうか。お伺いをいたします。
26◯前田道路管理部長 条例で定めておりますのは、物件ごとの占用料単価でございます。
なお、道路占用料は、道路を使用することに応じた対価を徴収するものでありますことから、基本的には国及び他自治体においても同様の考え方で算定をしております。
27◯滝田委員 今回の単価の改正につきましては、先ほど説明がありましたけれども、基本的には固定資産税評価額の上昇というふうに理解をしておりますので、その反映が主な理由であって、適切であるというふうに思いますので、我が会派としては賛成をするものであります。
一方で、道路占用料については、無電柱化の文脈の中で、私の事務事業質疑や予算特別委員会での我が会派の質問において、今後、事業者が自発的に無電柱化を進めていくよう、占用料のあり方も検討するべきといったことも申し添えをさせていただいております。その観点については、引き続き検討をお願いしておきたいというふうに思います。
さまざまなものが道路占用を利用して設置されているわけでありますけれども、地上や地下を使う場合に比べて、空中を使う、特に倒壊した際に防災上の課題がある電柱などについては、占用料を高目に設定するというのは公益的にもあり得る選択肢ではないかというふうに考えております。
次に、建設局事業におけるICTやデジタル技術の活用について伺いたいというふうに思います。
まず、大学研究者による事業提案制度で採択されたインフラ運営の透明化に向けたICT、AIを活用した市民協働システムの事業でありますが、本年二月から葛飾区、品川区での道路における試行が開始されたと聞いております。
その状況と来年度の取り組みについてお伺いいたします。
28◯花井道路保全担当部長 市民協働システムは、都民の目線での道路損傷やふぐあいに関する状況を受け、的確に道路状況の把握を行うために、カメラとGPSを用いたスマートフォンアプリを活用して投稿する仕組みでございます。
本システムに投稿された情報は、全ての市民協働システムのアプリ利用者がスマートフォンで補修等の進捗状況を確認できるようになっております。
都では、本年二月より葛飾区内及び品川区内の都道に加え、葛飾区道も対象に本システムの試行を開始しました。現在まで、歩道の舗装の剥がれによる段差や誘導ブロックの破損といった投稿をいただいております。
来年度は、引き続き、他の区市町村に対し本システムの導入効果を説明するなどして、試行エリアを拡大してまいります。
29◯滝田委員 ちょっと時間が限られていますので続けて質問しますが、長期戦略において、街路樹がグリーンインフラとして多様な機能を発揮できるよう、ICT等を活用するとの記載がありましたが、こちらについてはどのような取り組みを行っていくのか伺います。
30◯細川公園計画担当部長 街路樹の持つ機能を最大限に発揮させるためには、樹種や生育環境等に応じた維持管理を効率的に行うことが必要であります。
このため、ICTを活用し、街路樹の位置情報、樹種や幹回り等の情報を一元化したデータベースの構築に取り組んでまいります。
さらに、剪定等の維持管理の実績や病害虫等の発生状況、街路樹診断の結果なども蓄積し、データベースを活用したきめ細かな維持管理を目指してまいります。
31◯滝田委員 この二問続けましたけれども、いずれも米国のニューヨークなどで先行事例があるというふうに聞いておりますので、ぜひ海外の事例を参考に研究しながら進めていっていただきたいなというふうに思います。
次に、今後、5Gなどの技術革新の力を取り入れて、都民にも活用しやすい河川の防災情報の供給を目指していくべきというふうに考えますけれども、こちらについて見解を伺います。
32◯小林河川部長 スマート東京実施戦略におきまして、5Gの特徴である高速大容量や多数同時接続などの通信環境を活用した水防災情報を発信強化することとしております。
令和二年度は、水防災総合情報システムで提供しております監視カメラの静止画像を高画質な動画に変更し、雨量データ等もあわせて表示するなど、防災情報をわかりやすく確認できるような方策の検討に着手いたします。
また、豪雨時に浸水や崖崩れのおそれのある地域の人に対しまして、情報サービス事業者が地図アプリ等を活用して、ルート案内等により災害を回避できるような情報をリアルタイムに提供できるよう、都がこの事業者へ水防災情報を提供する仕組みなどの検討に取り組んでまいります。
33◯滝田委員 ありがとうございます。いずれも建設局の事業において、ICTやデジタル技術の活用は緒についたばかりでありますので、非常に大きなチャレンジであるということでありますが、期待しておりますので、ぜひともよろしくお願いしたいというふうに思います。
最後に、葛西臨海水族園の更新に向けた報告事項について幾つかお伺いをしてまいります。
葛西臨海水族園が開業したのは一九八九年ということで、世界で初めて外洋性の魚の群泳を実現したといわれるクロマグロの大水槽を備え、九九年には世界で初めて水槽内での産卵に成功しています。
当時の最新鋭の水族館を建設し、全国に先駆けて水生生物の繁殖や育成の実績を積み上げてきたことというものは大きな意義があったというふうに思います。
一方で、現在では、民営の大型水族館も含めて、全国には多数水族館がありまして、日本は当時とは状況がかなり違うものというふうに認識しています。数の上では、人口当たりの水族館数が世界一ともいわれているということのようです。
まず、基本的なことを確認していきますが、今般、都は、水族園の更新を検討しているものでありますが、新たな投資を行って、公設公営の水族園を都が行っていく意義についてお伺いをしたいというふうに思います。
34◯細川公園計画担当部長 葛西臨海水族園は、昨年十月、開園から三十周年を迎えております。この間、クロマグロの群泳展示などの新たな展示手法の開発や希少動物の繁殖など、さまざまな成果を上げてまいりました。
一方、環境問題の深刻化に伴いまして、持続可能な社会の実現に貢献することや野生生物の保全に向けた取り組みなど、水族館に求められる役割が変化しております。
そのため、水族園の運営に当たりまして、展示やレクリエーションの機能を初め、収集、飼育、繁殖、調査研究、学習体験、環境保全への貢献の機能を発揮することにより、海の持続可能性を守ること、広く環境保全につなげること、地域、都市の価値を高めることなどに、都が、長期的、継続的に取り組む必要がございます。
35◯滝田委員 意義についてお伺いしましたが、続けて、現在の葛西臨海水族園の施設や設備について、都の認識している課題についてお伺いをしたいというふうに思います。
36◯細川公園計画担当部長 開園から三十年が経過し、施設及び設備の老朽化や展示水槽のアクリルガラスの劣化が進んでおります。また、作業環境は、バックヤードが狭く天井も低いため、施設の維持管理や生物飼育などに大きな課題を抱えております。
利用者にとりましては、観覧動線におけるバリアフリー化など、あらゆる人が使いやすいよう、アクセシビリティーの改善が求められております。
さらに、生き物の飼育や水質の維持に多くの電力を要しているため、消費エネルギーの削減が求められております。
加えて、飼育や展示に欠かせない海水を八丈島沖から運搬するため、年間一・七億円を要しております。
37◯滝田委員 我が会派の議員団でも一月に視察をいたしましたけれども、現在の施設が老朽化だけではなく、特にバックヤードの環境について、飼育員の作業性であったり、あるいは安全性にも大きな課題があるというふうに認識をしています。
検討会の資料を読みますと、これまでの施設から面積を一六%拡充した延べ二万二千五百平米へと拡張したものを新規に建設するとしております。概算での試算ではあろうと思いますけれども、二百四十三・五億円から二百七十五・二億円の整備費、維持管理運営費を年間十七・六億円というふうに見込んでいます。
公益的な目的がありますので、もちろん全て入園料でということは考えられないと思いますけれども、どれくらいの財政負担があるのか、今後の都の税収も不安定であろうというふうに思われる中で、財政面、ワイズスペンディングの観点というのは非常に重要であるというふうに考えます。
ついては、現在の葛西臨海水族園における年間の維持管理運営費とメンテナンスの費用についてお伺いいたします。
38◯細川公園計画担当部長 十年間の平均で、維持管理運営費として年間約十六億円を要しております。
また、老朽化対策の修繕費用等として直近五年間の累計では約十八億円を要しております。
39◯滝田委員 ご説明をまとめますと、ざっくりというと現在の水族園というのは年間平均で二十億円ぐらいの費用がかかっているということの理解をいたしました。
一方で、現在の入館料収入というのは、大体年間四億円程度というふうに聞いております。こうした状況を鑑みますと、新たな水族園の建設を検討する上では、整備費、維持管理運営費、想定されるメンテナンス費用をそれぞれ抑制していくということが非常に重要ではないかというふうに考えます。
費用をどのように抑制していくのか、これまでの検討状況を伺いたいと思います。
40◯細川公園計画担当部長 平成三十一年一月より実施した事業計画検討会におきまして、PFI手法の導入による財政面での効率化を検討してまいりました。
また、運搬費用の削減のため、海水のリサイクルを進めるとともに、消費電力削減のため、エネルギー効率の高い機器を導入してまいります。
41◯滝田委員 続けて伺いたいというふうに思いますが、現在の方針では新たな建物を新設することというふうになっています。不足する機能を増築した上で、既存施設を改修して使うべきという意見もあるようですけれども、増築して改修ではなく、新築して移転とする理由について伺いたいというふうに思います。
42◯細川公園計画担当部長 新たな水族園の整備に当たりまして、最少のコストで最大の効果を上げる必要があります。単純な増築と改修では、規模が拡大する上に、建物も二つになり、管理運営コストの増加が見込まれます。
また、新たな水族園の実現には、展示空間演出の抜本的な刷新やアクセシビリティーの大幅な改善のための大規模工事が必要ですが、バックヤードが狭隘で作業場所が確保できないため、開園しながらの工事は困難であります。さらに、配管、配線が過密に配置されており、段階的な改修も困難であります。
工事に伴う長期間の休園によるサービス低下や、仮設施設の整備によるコスト増、飼育している八万五千点の生き物への影響などを総合的に考慮し、新たに新築する建物に機能を移設することといたしました。
43◯滝田委員 支出を抑えるという観点から質問してまいりましたけれども、それだけではなくて、収入を上げる、あるいは整備効果自体を高めていくという観点も非常に重要でありまして、総合的に考える必要があるということはいうまでもありません。
特に水族園の部分だけではなくて、葛西臨海公園全体として収益を上げられる部分を強化していくことであったり、あるいは来訪者や地域のより多くの人々に、付加価値の高い公園としていくということが重要であります。
また、二〇二〇大会のカヌースラローム会場も隣接をしておりまして、大会後の活用についても検討が必要であります。
地元江戸川区では、カヌースラロームを盛り上げようと独自の施設も近隣につくっているというふうに聞いております。
葛西海浜公園までも含めまして、水と生物に親しめる公園として、都民、区民により一層親しまれ、愛される公園にしてほしいというのが地元の願いであるというふうに聞いております。
今回質問とはいたしませんけれども、水族園を更新していくに当たっては、こうした観点から葛西臨海公園全体としてどのようにあるべきか、あり姿を描くということを要望しておきます。
今後、都でも人口減少が見込まれ、道路や上下水道などのインフラの老朽化対策など、厳しい財政負担も見込まれます。また、今般の新型コロナウイルスの影響により、税収の大幅な低下ということもあり得るというふうに思います。
こうしたことも踏まえて、かつて三十年前につくった時代とは異なって、公立施設においては、公益性とともにコスト面も含めて総合的に考えざるを得ません。
また、運営の効率性や省資源、省エネルギーであること、生物の生育環境も水族園にとっては重要な要素であるということを申し述べます。
私自身、大学時代に建築そのものではありませんけれども、都市計画を学んでおりましたので、建築物の価値ということも重要性を理解するものではあります。
最後の質問となりますが、水族園の新設による更新を進めた場合でも、もとの建築物も利用が可能であるかということについては追求するべきであるというふうに考えます。見解を伺います。
44◯細川公園計画担当部長 基本構想におきまして、水族園機能を移設後、施設の状態を調査の上、そのあり方について検討していくこととしております。
基本構想に基づき、新たな水族園の実現について検討するために設置した事業計画検討会におきまして、多くのご意見をいただいております。その中で、既存施設の利活用に関してもご意見をいただいたことは事実であります。
今後、事業計画検討会報告書に基づき、都議会におけるご議論、さらには各方面からのご意見も参考にしながら、秋に向け事業計画を策定してまいります。