◯滝田委員 よろしくお願いいたします。
昨年の事務事業質疑の冒頭で、私の考えとしまして、東京の長期的に目指すべき姿において、環境分野での三つの方向性について述べました。
一つは、ゼロエミッション都市の実現、二つ目は、特に再生エネルギー分野の拡大を目指し、成長戦略としての環境政策への転換をするべきではないか、三つ目は、水、緑、大気など、世界の都市間競争の中で、競争力のある魅力的な都市環境を形成していくという観点を述べました。
この中でも、特に緑、都市から緑が失われ続ける状況から転換をして、あらゆる機会を持って、公有の緑、民地の緑をふやしていく取り組みを進めるべきと考えます。
未来の東京戦略ビジョンでは、緑あふれる東京や、多摩・島しょにおける緑施策などが盛り込まれています。これらは緑や貴重な自然環境を積極的に確保し保全していくという姿勢のあらわれだというふうに思います。
そこで、未来の東京戦略ビジョンに掲げている緑あふれる東京の実現や自然の恵みの発信などの施策展開に向けて、意気込みを含めまして、環境局長の見解をお伺いしたいと思います。
187◯吉村環境局長 都はこれまで、丘陵地などの良好な自然地を保全地域として指定するとともに、緑化計画書制度によって、民間の再開発等の機会を捉えて、都心に働き、暮らす方々にとって身近な都市緑化を推進するなど、緑の保全と創出に取り組んでまいりました。
また、多摩の森林再生やエコツーリズムなどの取り組みも進めてきたところでございます。
今回の未来の東京戦略ビジョンでは、こうした取り組みをさらにブラッシュアップして、例えば保全地域については、指定面積に初めて目標を設定して指定拡大を図るほか、緑化計画書制度についても従前の緑の量的な底上げに加えて、質の向上の視点も加えて、約十年ぶりに見直しを進めるなど、都民が身近に感じられる緑あふれる東京プロジェクトを推進することを盛り込ませていただきました。
また、大都市東京に生活する方々にとっては、ふだんはなかなか東京の自然を身近に体感することは難しいのが現実であります。私は、ぜひともそういった方々にこそ東京の自然の魅力を発信していきたいというふうに考えております。
こうした観点から、先ほども質疑にございました都内三カ所目となるエコツーリズム事業を開始して、三宅島雄山の魅力を発信するとともに、バーチャルリアリティーを活用して、都心にいながらにして東京の自然公園の魅力を感じていただける新たな情報発信の事業も開始いたします。
ゆとりと潤いのある都市、そして世界の人々や企業から選択される東京を実現するため、戦略ビジョンに掲げた政策を、関係各局はもちろんのこと、区市町村や民間事業者、NGOなどともしっかり連携して強力に推進してまいります。
188◯滝田委員 局長からの力強いご答弁をいただきまして、ありがとうございます。
各局や区市町村、民間との連携が非常に重要でありますけれども、緑や貴重な自然環境の積極的な確保、保全をお願いしたいというふうに思います。
お話しいただきました幾つかの取り組みの中で、保全地域についてのお話がありました。これは大変期待をしておりまして、まず保全地域について、保全地域指定の意義とともに、これまでどのように保全地域を指定し、公有化してきたのかお伺いをしたいというふうに思います。
189◯近藤自然環境部長 保全地域とは、自然保護条例第十七条に基づき、都内に残された貴重な自然地の保護と回復を図るため、都が指定する地域でございます。
昭和四十八年四月の制度創設以来、四十七年間に都は山地や丘陵地の緑地など五十カ所、面積にして約七百五十八ヘクタールを保全地域に指定しており、開発行為から貴重な自然を守ってまいりました。
保全地域は、多様な動植物が生息、生育する里山保全地域など、その地域の特性に応じ、五種類に分類して指定しております。保全地域に指定すると、建築物等の新築、増改築や土地の形質変更等の行為が制限されるため、土地利用制限の代替措置として、都は自然保護条例第三十四条に基づき、地権者からの申し出がある場合に土地を買い取る義務がございます。
平成三十年度現在の公有地の面積は、保全地域に指定した約七百五十八ヘクタールの八四%に当たります約六百三十八ヘクタールでございます。
190◯滝田委員 保全地域は五種類あるということで、答弁のあった里山保全地域のほかには、自然環境保全地域、森林環境保全地域、歴史環境保全地域、緑地保全地域が条例に記載をされておりまして、私の理解としましては、特に里山保全地域や、身近な緑地ということで緑地保全地域につきましては、市街地の際でありますので、開発の圧力にさらされているということで、適切な保全が重要であるというふうに考えております。
続けてお伺いしたいというふうに思いますが、長期戦略ビジョンでの記載も踏まえまして、保全地域の指定、公有化に向けて、来年度はどのような取り組みをしていくのか、予算の確保も含めてお伺いしたいと思います。
191◯近藤自然環境部長 都は、丘陵地等の良好な自然地を二〇五〇年度までに新たに百ヘクタール程度保全地域として指定し、公有化してまいります。
この目標を達成するため、今年度、約十四億円の予算を来年度は約二十億円に増額し、保全地域に指定した後に必要となる公有化に確実に対応してまいります。
192◯滝田委員 今回、先ほどご答弁ありましたけれども、三十年間で百ヘクタールという新たな目標を設定しておりまして、これまでの保全地域の指定、公有地化のお話を聞きますと、このように目標設定をして進めていくというのは、これまでの取り組みから大きな転換であるということで、環境局として緑や貴重な自然環境を積極的に確保し保全していくという姿勢のあらわれだというふうに思っております。
昨年十二月に、我が会派から知事にご提案をいたしました長期戦略への提言におきましても、目指す姿の三本柱の一つとして、自然と都市の融合というテーマを掲げさせていただきました。
ゼロエミッション東京やグリーンインフラの推進といったこともありますし、あるいは緑、水辺、空などの自然と都市との融合を進めるということを主要な内容として提言をいたしました。
特に緑については、緑や自然の保全、緑の量の確保、緑の質の向上、緑に身近に触れられる緑へのアクセスという視点も入れて取り組んでいただきたいということを要望しております。
環境局だけではなくて、都市整備局、建設局、産業労働局などとも連携をしながら進めていく施策でありますが、来年度の長期計画の策定ということを見据えまして、我が会派としてもしっかりとこの緑の施策というものを後押ししていきたいというふうに思います。
長期戦略ビジョンには、次世代に引き継ぐ東京の未来の森ということも提案されています。産業労働局の担う部分が多いんですけれども、環境局所管の部分についても確認をしたいというふうに思います。
環境局の担う多摩の森林再生事業は、手入れの行き届かなくなった人工林について、民有林を対象に、所有者と協定を結び、間伐を行うことで、水源涵養等の機能を回復していくという事業でありますけれども、これまでの事業期間と予算規模、あわせて来年度の計画についてお伺いしたいというふうに思います。
193◯近藤自然環境部長 環境局では、森林所有者と二十五年間の協定を締結し、協定期間中に二回間伐を行う多摩の森林再生事業を平成十四年度から実施しております。
平成三十一年度までの十八年間で約八十一億五千万円の予算計上がなされており、対象九千ヘクタールのうち、平成三十年度末時点で約七千五百ヘクタールについて協定を締結し、事業を実施してまいりました。
令和二年度は、約五億三千万円の予算を計上しており、一回目と二回目を合わせて六百二十五ヘクタールの間伐を予定しております。
194◯滝田委員 伐採、利用、植栽、保育という森林の循環というものは非常に重要でございまして、先日の予算特別委員会でも、私の方からそれを担う人材育成について産業労働局の方に問いました。
環境局が担っている九千ヘクタールの手入れというものも、水源涵養であったり、あるいは土砂の流出の防止などに寄与する、地道ではあるんですけれども、非常に大切な取り組みでありますので、引き続き着実に進めていただければというふうに思います。
次に、戦略ビジョンには、豊かな大自然の映像を都心部でVRを用いて体験して、自然公園の魅力を広く発信するというふうにありますけれども、取り組み内容と意義づけについてお伺いをしたいというふうに思います。
195◯近藤自然環境部長 都は、誰もが訪れ、誰もがかかわれ、誰からも理解される自然公園を目指し、その取り組みとして、東京の自然公園が有する魅力の発信、多様な主体との連携に努めることとしております。
平成三十年に自然公園ホームページを大幅リニューアルし、四季折々の写真を多用し、視覚に訴えるとともに、自然情報だけではなく、各地域の文化や伝統を紹介するなど、自然公園の魅力をわかりやすく発信してまいりました。
令和二年度、都心部で開催されるイベント等において、バーチャルリアリティーを活用した自然公園体験を実施いたします。
具体的には、装着型ディスプレーを使って、多摩地域の山岳や島しょ地域の美しい海等を体感してもらうとともに、自然公園利用ルール、安全情報、動植物の情報等を提供いたします。
こうした先進技術を用いて、自然公園の魅力に触れる機会をふやすことで、今まで自然公園に興味がなかった層や、障害等があり現地に行けなかった方に関心を持っていただくよう、自然公園のすばらしさを訴求してまいります。
196◯滝田委員 先進技術の活用ということにつきましては、ぜひ各分野で挑戦をしていただきたいというふうに考えております。
一方で、魅力の発信という観点だけでは、ちょっと意義づけが弱いのではないかということも指摘をさせていただきたいと思いまして、障害をお持ちの方という話がありましたけれども、例えば障害をお持ちの方であったり、ご高齢であったり、介護を必要とする方などが現地に行けないけれども、直接自然体験はできないのだけれども、遠隔で楽しむことができるといったことも非常に価値が高いものでありまして、そういったことも、より訴求されてはどうかなというふうに思います。
また、将来的には、障害者施設であったり高齢者施設などでも活用できるということも十分にあり得るというふうに考えています。
また、VRもいいんですけれども、ARという考え方もありまして、ARは自然体験との親和性が高いと私は思っております。
例えば、動植物にARのアプリをかざすと、動植物の名前であったり、あるいは特徴、希少性などのストーリーが表示されるといったこととか、なかなか最近子供たちに伝えられていないような知識のサポートをするといったこととかで、自然体験をより一層楽しめるということも考えられるのではないかというふうに思います。
このVRであったり、ARなどの先端技術の活用方法ということについては、いろんなことが考えられるというふうに思いますので、ぜひさまざまな視点から検討してチャレンジをいただきたいなということを求めておきます。
次に、地元八王子市の谷戸の自然環境についても伺いたいというふうに思います。
東京都では、自然保護条例に基づいて、一定規模以上の開発に当たっては、都の許可を得ることが必要であります。特に一定の規模や必要性がある場合には、有識者で構成される自然環境保全審議会に諮るということになっていると理解しています。
これらの自然保護条例に基づく手続について、改めて内容を伺いたいというふうに思います。
197◯近藤自然環境部長 都は、自然保護条例第四十七条に基づき、宅地の造成など土地の形質を変更することで自然環境に影響を及ぼす開発行為について、知事の許可を必要とする開発許可制度を運用しております。
開発許可の対象となるのは、一定規模以上の自然地を含む土地であって、市街化調整区域にあっては一千平方メートル以上の土地を、市街化区域にあっては三千平方メートル以上の土地を開発する場合でございます。
また、三万平方メートル以上の土地を開発する場合には、東京都自然環境保全審議会の意見を聴取し、事業者が策定する自然環境の保全に係る計画等に当該意見を反映する必要がございます。
198◯滝田委員 さて、私の地元の八王子市に川町という地区がございまして、私も先日視察をしてきました。
そこの谷戸、丘陵地が侵食されて形成された谷合いの自然環境でございますけれども、地元の皆様が有識者に確認したところ、ゲンジボタルとヘイケボタルが共存するという貴重な自然環境があるということであります。
この場所に、今、民間事業者が埋め立てを行って、スポーツパークをつくるという構想がございます。
私もサッカーもテニスもやりますので、民間でスポーツができる環境ということをつくるのは結構なことではあるんですけれども、先ほどまで申し上げてきましたとおり、自然や緑の保全がより大きなテーマであるという中で、非常に慎重に考えなければならないというふうに思います。
地元の八王子市は中核市でありますので、市長が都市計画法上の開発許可の決定権限を有していますけれども、この都市計画法上の開発許可と都の自然保護条例の開発許可との関係についてお伺いをしたいと思います。
199◯近藤自然環境部長 都市計画法の開発許可制度は、防災上の措置を講じることを事業者に義務づけること等により、良好かつ安全な市街地の形成を図ることなどを目的としております。
一方、自然保護条例の開発許可制度は、自然環境に配慮した開発を事業者に促すことにより、開発と自然の保護の両立を図ることを目的としております。
都市計画法を所管する八王子市と自然保護条例を所管する都は、それぞれの制度の目的に従い、開発規制を行っております。
200◯滝田委員 都が担っている自然保護条例による開発許可制度については、自然環境に配慮した開発を事業者に促すことで、開発と自然保護の両立を図ることが目的というご答弁でありました。
開発そのものは、民間企業である事業者、あるいは地元市において判断する事柄であるというふうにも思いますが、当該事業予定地には、希少な自然環境があるということからも、都としては、その役割である自然環境に配慮した開発となっているのかということについて、しっかりと見ていただきまして、自然環境保全審議会の意見を踏まえて、適切に対応していただくことを要望しておきます。
次に、大気環境について伺いたいというふうに思います。
現在の大気環境に関して、PM二・五の長期環境基準の達成状況や、光化学スモッグ注意報の発令日状況などとあわせて、今後の課題を伺いたいというふうに思います。
201◯筧環境改善部長 PM二・五につきましては、環境基準が年平均十五マイクログラム・パー・立方メートルとなっており、平成三十年度の状況は四十六局全ての一般環境大気測定局で達成し、自動車排出ガス測定局では、三十四局中三十二局で達成いたしました。
光化学オキシダントにつきましては、環境基準が一時間値〇・〇六ppm以下であり、平成二年度以降、全ての測定局で環境基準を達成しておりません。
また、光化学オキシダント濃度が継続して環境基準の二倍の〇・一二ppm以上となるときに発令される光化学スモッグ注意報は、令和元年に七日発令されております。
PM二・五を初め、NOxやSPM等、他の大気汚染物質はおおむね環境基準を達成していることから、現在の大気環境における課題は光化学オキシダントでございます。
202◯滝田委員 現在の大気環境の主な課題が光化学オキシダントであるというご答弁でした。
そこで、光化学オキシダントの原因となっている揮発性有機化合物、いわゆるVOCの発生源の特定や対策について、来年度、どのような取り組みを行っていくのか伺いたいと思います。
203◯志村環境改善技術担当部長 光化学オキシダントの低減には、原因物質である揮発性有機化合物、いわゆるVOCについて、発生源を把握するとともに、効果的な削減対策を実施することが重要であります。
都はこれまで、事業者の自主的なVOC排出削減の取り組みを促進するため、VOC対策ガイドの作成やアドバイザーの派遣など、区市や業界団体等と連携して、中小事業者への支援を実施してまいりました。
こうした取り組みに加え、来年度は未把握となっているVOC発生源の推定や大規模事業者におけるVOC削減対策技術の収集に向けて実態調査を実施いたします。
さらに、ガソリンスタンドでの給油時に発生するVOCを削減するため、VOCの回収が可能な懸垂式給油機の製品化や導入促進に向けたモデル事業を実施いたします。
204◯滝田委員 来年度、VOCの新たな対策に取り組んでいくという強い姿勢を評価したいというふうに思います。
VOCの排出事業者には中小企業も多く、実態把握とともに、さらなる支援策を講じるなど、取り組みの強化を求めておきたいと思います。
次に、フロン対策です。
ゼロエミッション東京戦略においても、フロン対策、特に老朽化をした業務用冷凍冷蔵空調機器からフロンが漏れている、あるいは廃棄の際にも適切に扱われず、約六割のフロンが回収されていないということが大きな課題として扱われています。
この点については、公明党さんの小磯理事の方で一般質問でも取り上げていただいておりまして、フロンGメンといった踏み込んだご答弁が局長からもございました。
取り組みを強化し、既存の老朽機器について適切な対処をしていくとともに、ノンフロン製品や低フロンの機器などへの早期の転換を促し、フロンの排出量削減に迅速に取り組んでいただきたいと私からも要望をいたしておきます。
私からは、規模感について確認をしておきたいと思いますが、フロンの漏えいのある老朽化した業務用冷凍冷蔵空調機器が現在どれくらい都内にあるのか、把握ができているのか、使用時、廃棄時の対策について、また、それらに対する都の対策事業の規模感についてお伺いをしたいというふうに思います。
205◯筧環境改善部長 業務用冷凍冷蔵空調機器は、国の資料によると、全国に約一千八百万台の市中ストックがあり、そのうち都内には約二百二十万台が設置されていると考えられます。
また、都内で故障や老朽化による補修などに伴い、フロンを充填した台数は平成三十年で約四万台でございました。
これらの機器の設置管理及び点検整備などにつきましては、十分に把握されていないということから、来年度、実態調査を行い、今後の対策につなげてまいります。
フロン排出量削減に向けた取り組みとして、来年度からフロン漏えい量がCO2換算で一千トン以上の排出事業者、約百二十社の事業所へ全件立入検査を実施し、機器の点検状況や老朽箇所の補修などについて指導を実施いたします。
さらに、業務用の冷凍冷蔵空調機器が設置されていると推計される約四千件の建築物の解体現場の調査及び立ち入り指導を実施し、フロンが適正に回収されているかなどの確認を行うこととしております。
206◯滝田委員 相当数の機器について、適切な管理、廃棄等のフロンの排出対策を行っていくことが必要ということがわかりました。
ゼロエミッション東京戦略の目標達成に向けた着実な取り組みというものを求めておきたいというふうに思います。
最後のテーマに移りたいと思います。
二〇五〇年のゼロエミッション東京の実現に向けまして、早期に一層踏み込んだ対策を構築していくことが必要と私は思っていますのは、先ほども質疑の中で出ましたけれども、住宅や事業所の省エネ化、ゼロエミッション化であります。
というのも、耐用年数を考えますと、家電であったり車両などとは異なりまして、今、新築をしている住宅や事業所は、二〇五〇年にはまだ確実に使用しているという非常にシンプルな理由でございます。
都では、規模の大きい建築物や事業規模の大きい事業者については義務化をしている部分も含めて、しっかりとした省エネ基準を設けてきているという理解です。
そこで、まず、住宅や事業所などで新たに建設されている建築物における省エネ化、ゼロエミッション化について、どのように取り組んでいくのか見解を伺います。
207◯小川地球環境エネルギー部長 建築物は一度建てられれば数十年にわたり使用されることから、建築物を建てる際に、設計段階から着実に環境配慮を進めていくことが必要でございます。
そこで、都は、一定規模以上の建築物を新築、増築する建築主に対し、建築する建物の省エネや断熱性能、緑化や再生可能エネルギー等の環境配慮の取り組みについて記載した建築物環境計画書の作成と都への提出を義務づけております。
本年四月から、この計画書の作成と都への提出対象となる建築物の規模を、延べ面積が五千平方メートル超から二千平方メートル以上に範囲を拡大するとともに、従来の省エネ性能を大きく上回るネット・ゼロ・エネルギー・ビル、ZEBについての評価を始めることといたしました。
こうしたことに取り組みながら、より多くの建築主に対し環境配慮を促してまいります。
208◯滝田委員 建築物環境計画書の作成、提出の対象を拡大する取り組みについては評価をするものであります。
一方で、例えばそれほど大きくないワンルームマンションであったり、アパートであったり、中小企業の事業所であったりというものは、省エネ性能が高くないものも建てられてしまうという状況にあるのではないでしょうか。
こうした規模の大きくない集合住宅や事業所の新築に関しての省エネ化、ゼロエミッション化について見解を伺いたいというふうに思います。
209◯小川地球環境エネルギー部長 建築物環境計画書の作成及び都への提出義務の対象となりません延べ面積二千平方メートル未満の集合住宅や事業所につきましても、本年四月から任意で計画書の作成及び提出をできるようにいたしました。
また、住宅については、省エネや断熱性能を高めました東京ゼロエミ住宅の仕様を満たす新築の戸建て及び集合住宅に対する補助を実施しております。
このほか、建築士や建材メーカー等、設計や建築の第一線で活躍する実務家を主な対象といたしましてZEBや、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス、ZEH等の先進的な省エネ建築物の事例を紹介する東京都環境建築フォーラムを開催するなど、建築物の環境性能向上に向けた普及啓発を図っております。
こうした取り組みによりまして、規模の大きくない新築建築物等の一層の省エネ等を促してまいります。
210◯滝田委員 建築物の省エネ性能ということにつきましては、低コスト化ということや技術革新なども促していく必要があるというふうに思います。
そういった点での促進策ということも必要ですし、あるいは建築物環境計画書の提出義務対象となっていない集合住宅や事業所などに対する支援策、対策の強化ということも検討が必要だということで、ぜひ取り組みを進めていただきたいということも求めまして、私からの質問を終わりたいというふうに思います。