令和元年都市整備委員会 2019-09-12

◯滝田委員 私からは、都市計画審議会案件の板橋区大山の連続立体交差化事業について質問をいたします。
 当委員会におきましても、一昨年、委員でありました我が会派の木下ふみこ都議から、地元のまちづくりに非常に重要な案件であるとして問題提起をさせていただいております。また、同じく地元の平慶翔都議からも、一般質問で取り上げをさせていただいているところであります。
 今般、都市計画にかかるということですので、本日は、私の方から地元議員にかわりまして質疑をしたいと思います。
 大山地区では、今回の連続立体交差事業、加えまして特定整備路線の補助第二六号線整備事業の、二つの都の事業があります。加えて、板橋区による駅前広場開発事業が行われることから、三つの大規模な事業が、今後十年から十五年かけまして同時に進行していくという状況にございます。
 一方で、大山のハッピーロード商店街は、非常に有名な商店街であります。全国の特産品が入れかわりで販売される、とれたて村という取り組みなどでは、東京都第二回商店街グランプリにおきましてグランプリ、大賞を受賞しております。また、経産省や国交省、農水省によります国の賞も受賞しておりまして、マスコミ取材や全国からの視察が絶えないアーケード街であります。年商百二十億円のにぎわい、中でもこのアーケードはまちのシンボルでありまして、板橋区民の愛着も非常に強い区内随一の商店街であります。
 しかし、先ほどお話をしました三つの事業の推進によりまして、現在のアーケードが分断されてしまうということが大きな課題でありまして、地元の懸念というふうになっています。
 場所について説明したいと思いますので、パネルをご用意いたしました。こちらが地元の場所になるんですけれども、こちらが大山駅になりますね、この一番端っこです。今回、高架化の事業が行われるのがこの路線になりまして、先ほどお話をいたしました都市計画道路については、この色がついている部分を通るということになります。お話をしましたハッピーロード商店街がどこを通っているかといいますと、この黄色の線でして、駅の方からこの都市計画道路を予定されているところをまたいで、今、またいでというか都市計画道路がまたぐんですけれども、こういった状況になっておりまして、まさにその商店街、このアーケード街のど真ん中を都市計画道路が走ると。
 加えて、その高架化に当たりまして、今のアーケードの一部分をかすめるということで、この部分についても今のアーケードは影響を受けるというような状況になっておりまして、非常に一連の開発について懸念があるというのが、この現地の場所になります。
 こうした商店街の真ん中を道路が通るという開発については、都としても過去に経験がないというふうに伺っておりまして、加えて、十年から十五年はかかるでしょうという長期の工事になりますが、こうした工事が続くことによりまして、商店街の三分の二に当たる部分というのが工事に何らかの形でかかわってくるというような状況にあります。そうしたことで年商額も激減することが予想されていますし、にぎわいが断絶される可能性があるということで、大きな懸念があるというのが現地の状況になります。
 既に関連する再開発において用地買収された店舗が閉鎖されていて、工事中の白囲いがふえてきているということもありまして、今、地元の方では不安が大きくなっているということであります。
 ほかの事例からも、何もしなければ再開発によって四割ぐらい店舗が出ていきかねないというような不安の声も上がっているようでして、さまざまな配慮が必要ではないかなというふうに感じます。
 一方で、今回都市計画で出ております東武東上線大山駅付近の連続立体交差事業自体は、事故が多発するあかずの踏切をなくすという事業ですので、地域住民の長年の悲願であるということです。ですので、この事業自体は推進が喜ばしい、望ましいということであります。
 しかしながら、先ほどお話ししましたように懸念が容易に想定されますので、実際に地元からの声が上がっている中で、計画の妥当性であったりとか、あるいは地元への丁寧な説明というのが非常に重要になってきます。
 ちょっと前置きが長くなりましたけれども、質問に入らさせていただきまして、今回、立体化に当たって、高架化もしくは地下化の構造形式の中から、高架化が選択されております。ついては、鉄道立体化に当たって高架化、地下化の二つの構造形式をどのように比較をして選定したのか伺います。

7◯山下都市基盤部長 東武鉄道東上本線大山駅付近の鉄道立体化の構造形式につきましては、高架方式、地下方式の二案を検討いたしました。
 この二案につきまして、鉄道周辺の地形などの地形的条件、除去する踏切数などの計画的条件、事業費や事業期間などの事業的条件の三つの条件を総合的に判断して選定しております。
 地形的条件につきましては、高架方式、地下方式、どちらの案も対応可能でございました。計画的条件では、高架方式では八カ所の踏切を除却できますが、地下方式では除去する八カ所の踏切のうち二カ所の道路につきまして、鉄道が地下に至ります際、掘り割り構造となり通行ができなくなるため、高架方式が優位となっております。事業的条件では、高架方式に比べ地下方式の方が事業費が高いため、高架方式が優位となります。
 以上から、高架方式を選定してございます。

8◯滝田委員 板橋区長をトップとしましたメンバーによります東武東上線大山駅付近立体化促進協議会におきましては、高架化または地下化の工法を問わず立体化を進めてほしいという形で、要望を平成二十九年七月に都に提出をしております。
 しかしながら、地下化の検討なく高架化前提の説明会となっていて不満であるといった地元の声も耳にいたします。
 都としては十分な住民説明を行っているのか、このような声を限りなく減らしていくためにも、より丁寧な地域への説明が必要と考えますけれども、都の見解を伺いたいと思います。

9◯山下都市基盤部長 本路線につきましては、委員の方からお話がありましたように、地元から、構造形式にかかわらず鉄道立体化を図るよう強い要望が出されております。
 住民への説明につきましては、平成三十年二月に都市計画素案の説明会、同年十二月に都市計画案の説明会を実施しておりまして、高架方式と地下方式とを総合的に判断した結果、高架方式を最適案としたことを説明しております。
 また、こうした説明会とは別に、より多くの方に連続立体交差化計画等について知っていただくことを目的に、東武鉄道の協力を得ながら、事業主体の都と板橋区が主催するオープンハウスを昨年の夏に開催しておりまして、四日間に延べ約三百八十名の方々にご来場いただき、さまざまなご質問にお答えしております。
 今後とも、さまざまな機会を捉え、丁寧な説明に努めてまいります。

10◯滝田委員 ぜひ丁寧な説明に努めていただいて、理解を得られるというようにしていっていただきたいと思いますし、さまざまなやはり懸念等もありますので、これからまちづくりがどうなっていくのかということについては地域の皆様としっかりと検討を進めていただきたいというふうに思います。
 高架化する場合にも、高架下の空間の活用など、地域におきましてニーズがございます。しっかりとそういったことにも応えていっていただきたいというふうに思いますが、高架化後の高架下空間について、どのように利用していく予定なのかを伺いたいと思います。

11◯山下都市基盤部長 連続立体交差事業によって新たに創出されます高架下は、貴重な都市空間でございますので、まちづくりの観点から有効に活用することが重要でございます。これまで都が行ってまいりました連続立体交差事業では、駐輪場や公園、商業施設、保育所などさまざまな地域ニーズに沿った利用がなされてございます。
 本路線につきましては、事業化した後に、地元区や鉄道事業者と連携し、高架下のさまざまな活用方策について検討していく予定でございます。

12◯滝田委員 高架下の空間の活用ということでは、商店であったりとかにぎわいの空間に活用していくということで、事例としては近年ふえております。都内でいいますと、例えば万世橋の近くのJR高架下でも利用がされておりまして、にぎわいの空間ということがつくられておりますけれども、さまざま事例としてはあります。
 この大山については、ハッピーロードや駅前の開発とも連携をしまして、連続性のある利用がなされるように、地元との検討をしっかりと進めていただきたいというふうに思います。
 事業によるまちへの影響が特段に大きいというのが今回の事業ケースであるというふうに思います。三つの事業が計画されているということを最初にお話をいたしました。大山のまちのニーズに合った活用方法というのをしっかりと地元の方と議論をしていただいて、検討、実現することを強く要望したいと思います。
 次に、この大山地区の開発が連続立体交差事業のみならず、先ほどお話をしました合わせて三つの事業が同時期に進行していくことに関しまして質問をしたいと思います。
 平成三十年都市整備委員会で我が会派の木下都議より、地元商店街の皆さんは、区、都、そして各部署で窓口が縦割りになっているため対応が負担になっており、地区全体についての相談をどういうふうにしていったらよいかわからず困っているという形で指摘をいたしました。これに対しまして、防災都市づくり担当部長より、商店街のにぎわいに配慮したまちづくりについて技術的、財政的支援を行いながら取り組んでいく、また、区と情報連絡を密にし、また地元のまちづくりとかかわりを持つほかの事業とも調整を図りながら、商店街の活性化にも配慮した道路整備を推進していくといった答弁をいただいております。
 しかしながら、どこを窓口にして話したらきちっと調整してもらえるのかわからない、区にいえば都の管轄だ、都にいえばそれは別の局の管轄だとたらい回しにされて困っているという状況が変わってもいないというようであります。
 ことし八月末には、ハッピーロード大山商店街振興組合が主催をしまして、都議会議員、区議会議員を集めて実施をした議員懇談会がありました。こちらでも、都の統括担当者を設置してほしいといった要望が出ております。まちの未来を相談する際に、第二市街地整備事務所に話をしてきておりますが、統合的な回答がなかなか得られていないという不満が続いているようです。
 ついては、都の統括担当者の設置について検討してほしいというふうに考えますが、都の見解を伺います。

13◯山下都市基盤部長 地域におけるまちづくりは、道路整備や鉄道の立体化を勘案しながら、地元区が主体となって進めるべきものでございます。
 これまでも都は、地元区が主催する勉強会に参加するなどして区の取り組みを支援してきたところでございますが、インフラ整備に合わせたまちづくりでは都の関係部局が多岐にわたることから、事務局である板橋区都市整備部が都と連携して、平成三十一年二月、大山駅周辺地区都区情報連絡会を設置しております。本連絡会には、都から都市整備局都市基盤部、第二市街地整備事務所、建設局道路建設部、産業労働局商工部が、また、板橋区からは産業経済部が参加しており、区が進めるまちづくりに対し、それぞれの見地からアドバイス等を行っております。
 また、月一回開催されております都、区、商店街との例会には市街地整備部及び第二市街地整備事務所が出席し、地元の要望の把握に努めるとともに、都の事業の情報を適宜提供するなど意思疎通を図っております。
 こうして得られた情報につきましては関係部局との間で共有を図っておりまして、区へのまちづくり支援に生かしております。

14◯滝田委員 地元の皆さんと従来どおりの月一の例会に、都市整備局市街地整備部、第二市街地整備事務所が出席する体制、加えて、本年二月、板橋区の関係部局及び東京都の関係部局横断の大山駅周辺地区都区情報連絡会を新たに設置して、課題の共有や連携が始まっているということでありまして、これ自体は評価をするところではありますけれども、商店街の皆様方を初めとしまして地元の方で、統括担当者の設置を引き続き求めておりまして、まだまだ地元の皆さんから見まして役所の縦割りではないかということで、はっきりした答えが出ないというふうに思われている状況は改善できていないというふうに感じますし、また、まちづくりは地元区であるという原理原則はあるのかもしれませんけれども、都の事業も二つ大きなものがありますし、これだけの規模でまちの構図が大きく変わるという事例もなかなかないものでありますので、しっかりと連携をとって、リーダーシップを発揮できるようにしていっていただきたいということで、改善を求めていきたいというふうに思います。
 次に、長期間にわたる一連の工事について伺いたいと思います。
 複数の工事が進行する当該地区におきまして、連続立体交差事業、補助二六号線事業工事、これらの工程を明示すること、また、工事期間中も商店街の連続性と回遊性の保持に努めるなど、商店街のにぎわいを維持して継続するための特段の配慮が必要と考えますが、見解を伺います。

15◯山下都市基盤部長 連続立体交差事業につきましては、本年内に都市計画決定を行う予定でございまして、令和三年度を目途に事業認可を取得する予定でございます。工事に入る段階では工事説明会を行う予定でございます。
 補助第二六号線大山区間につきましては、平成二十七年度より用地取得を行っておりまして、平成三十一年三月末現在の用地取得率は約一九%でございます。権利者の方との合意形成に時間を要しておりまして、整備目標年次でございます令和二年度の整備完了は厳しい状況でございますが、引き続き、関係権利者に丁寧に対応しながら整備を進めてまいります。
 補助第二六号線大山区間には、計画線の区域内に商店街が含まれていることから、店舗などの営業継続やにぎわいの維持向上を図りながら、沿道まちづくりと一体的に道路整備を進めることが重要と考えております。
 これまで都は、区と連携いたしまして、商店街を中心としたまちづくりの勉強会に専門家を派遣するなど、地元の取り組みを支援してまいりました。
 引き続き、区のまちづくりを技術的、財政的に支援するとともに、商店街を初めとした地元の方々の理解と協力を得ながら、連続立体交差事業及び特定整備路線補助第二六号線の整備を進めてまいります。

16◯滝田委員 工事による商店街の皆さんや地域の皆様方の不利益、こういったものが最小になるように、しっかりと工事の工程を組んでいただくことをお願いしたいというふうに思います。
 また、商店街の連続性あるいは回遊性といったものは、商店街の命でもあります。工事によって遮断されてしまうというようなことがないように、さまざまな配慮をしていただきたいというふうにお願いを申し上げます。
 商店街の真ん中に、先ほどもパネルで説明をしましたけれども、道路が通るということですので、都としてもほかにないケースでありまして、また、一度に三つの工事が長期間にわたり進められるということでもあります。大山地区のこういった特殊な事情を踏まえまして、事業の推進期間中においても商店街のにぎわいの維持を図るべく、都としても取り組むべきと考えますが、都の見解を伺います。

17◯三宮防災都市づくり担当部長 補助第二六号線大山区間には、計画線の区域内に商店街が含まれていることから、事業期間中においても商店街のにぎわいの維持を図ることが必要だと認識しております。
 都は、商店街振興組合のニーズを酌み取りながら事業用地を活用するなど、地元区と連携し、にぎわいの維持向上に配慮したまちづくりを支援してまいります。

18◯滝田委員 今、答弁としまして、商店街振興組合のニーズも酌み取りながら、事業用地の活用などをしていくという答弁がありましたので、しっかりと検討していただきたいというふうに思います。
 振興組合の皆さんには、例えばキッチンカーであったりマルシェをそういった工事期間中の空き地になった場所でやっていくというような、収益事業も含めて事業用地を活用するといったアイデアもあるようです。こうしたものも、商店街との連続性であったりとか継続性ということを維持するためにも必要なアイデアだというふうに思いますので、ぜひとも丁寧に相談に乗っていただきまして、事業用地の途中の段階ではありますけれども、柔軟に活用できるように、実現に向けて支援をいただきたいというふうにお願いいたします。
 もう一つ、ボードを掲示させていただきたいと思います。ちょっと字は小さいので細かくは説明をいたしませんけれども、こちらにありますのが、商店街の皆々さんが掲げている三十年後の大山のハッピーロードを含めたまちづくりのビジョンということになります。こういったことも地元の方で考えてくださっておりまして、特に、本当は高架化より地下化がいいというご意見ももちろんあるんでしょうけれども、高架化になった場合でも、しっかりとまちの回遊性であったりとか連続性を保っていくためにはどうしたらいいかということで、地元の方でもアイデアを出しているということでございます。
 先ほど質問もさせていただきましたけれども、高架下の活用については、こちらの左下に絵がありますが、商店であったり、にぎわいのイメージの、こちらですね、掲げさせていただいておりますし、あるいは工事期間中の用地を活用しまして、にぎわいの創出ということで、こちら真ん中の絵ですけれども、こういったものも掲げさせていただいております。
 そうした形で、今のハッピーロードの形からは変わってしまう、これ自体も非常に議論はもちろんありますし、地元としてはじくじたる部分もあるというところではありますが、一方で、こうしたその開発の機会に将来のまちづくりのビジョンをしっかりと掲げて取り組んでいこうという話がございます。
 そういった意味では、地元の方々が、工事の大きなリスクを乗り越えてこれからも愛されるまちをつくり続けていきたいという思いが非常に強くあるわけでありますので、こうした思いに応えまして、しっかりと都としても、一連の事業、再開発でまちがきれいになって、でも店が少なくなって、人のにぎわいがなくなってしまったということではないまちづくりというのをしっかりと進めていただきたいなというふうに思います。
 こうした意味では、今回、立体交差化という都市計画ではありますけれども、それにとどまらずに、しっかりとこの大山のまちづくり、将来的なビジョンが実現できるようにさまざまな工夫をしていっていただきたいなということをお願いしたいと思います。
 以上で私からの質問を終わらせていただきます

令和元年都市整備委員会 2019-09-12
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