◯滝田委員 まず、一般会計補正予算についてお伺いをいたします。
台風災害への迅速な対応を進める上で、今回の補正予算における、建設局関係は特に重要なことであります。早急な初期対応を行っていただきまして、各地の被害において仮復旧等が進められておりますこと、また本復旧に向けた予算組みを今回の補正に間に合わせていただいて進めていただいたこと──私、地元は八王子市でございますけれども、さまざまな被害が大きかった地域でございます。建設局の皆様、現場を支えている皆様のご尽力に感謝を申し上げたいというふうに思います。
既に、先般の事務事業質疑におきましても、災害対応については細かくお伺いをしております。また、今後の取り組み方針につきましても、先日、十一月二十九日に、令和元年台風第十五号及び第十九号等に伴う防災対策の検証結果として発表をされたところでございます。
本日は、復旧見込みなどの状況の確認を中心に行わせていただきたいというふうに思います。
先般の台風十九号では、私の地元八王子市でも大小さまざまな被害が出ました。市内でも約百五十カ所というふうにいわれておりますけれども、新滝山街道については、土砂が崩落をいたしまして、片側通行という状況が続いております。
また、奥多摩町の日原地区については、発災直後に小池都知事も視察をされておりますけれども、仮復旧が終わっていないという地域でありまして、いまだ車両の通行はできず、移動や物資の持ち込みには非常に難儀をしている、半孤立状態が続いているところでございます。
まず初めに、台風十九号に関して、都道の被害状況と現在の復旧状況について伺いたいというふうに思います。
12◯花井道路保全担当部長 都道では、道路崩落や土砂流出などによりまして、三十一カ所の通行どめが発生いたしました。順次復旧作業を進め、現在では二十四カ所が交通開放されております。
残る七カ所のうち、主な被害箇所の一つでございます主要地方道四六号新滝山街道につきましては、のり面崩落により、あきる野方面が通行どめとなりましたが、土砂撤去と仮設防護柵の設置を進めてきており、十二月十六日に交通開放のめどが立ったところでございます。引き続き、崩落したのり面などの復旧工事を進めてまいります。
一般都道二〇四号日原街道は、道路が崩落したため、仮設歩行者用通路と生活物資等を運搬する索道を設置いたしました。本復旧には時間を要するため、車両用の仮設道路設置の準備を進めております。
13◯滝田委員 八王子市内の新滝山街道につきましては、長らく通行できなかった下り方面も、来週中ということですけれども、間もなく通行できるようになるということで一安心をいたしました。私もたびたび使っておりますので、ちょっと不便を感じていたんですけれども、復旧ありがとうございます。
また、奥多摩町の日原地区につきましては、備蓄をされている物資もいろいろあるというふうには聞いておりますけれども、例えば冬場には灯油の輸送が必要であったりとか、車両が使えないことによる懸念ということもあるというふうに聞いておりまして、これからの季節、一層生活への影響も想定されるという状況でございます。
一月から仮設道路の設置工事に着手する旨で、先日地元への説明会を行ったというふうに聞いておりますけれども、一日も早く車道通行が可能となるように、奥多摩町や地元の皆様と連携をして取り組んでいただくように改めてお願いを申し上げたいと思います。
今回の補正予算による対応で復旧の早期化が図られますけれども、今後の都道の復旧見込みについてお伺いしたいと思います。
14◯花井道路保全担当部長 今回の補正予算に計上する六カ所のうち、道路が河川に接する一般都道一八四号奥多摩あきる野線及び主要地方道五三号青梅秩父線では、出水期までに道路擁壁の復旧完了を目指してまいります。
その他の箇所につきましては、被災状況や地形条件を踏まえまして、適切な工法により、令和二年内の復旧完了を目指してまいります。
15◯滝田委員 河川に接する二つの都道につきましては、来年の出水期の前までには復旧を目指していくということで答弁ございました。
また、別途伺っておりますけれども、日野市と立川市の間を都道が走っているんですけれども、日野橋につきましても出水期までに工事完了を目指すということで伺っております。
その他の箇所については、来年、年内ということでございましたけれども、できる限り遅滞なく復旧を完了できるように、工事に当たってはさまざまご苦労あると思いますけれども、よろしくお願いしたいというふうに思います。
次に、河川についても同様に確認をしたいというふうに思います。
私の地元八王子市におきましても、河川について、多摩川に注ぐ一級河川であります浅川あるいは秋川、そしてそれらの上流部におきまして、大小さまざまな被害がありました。
台風十九号に関して、河川の被害状況と現在の復旧状況について伺いたいと思います。
16◯小林河川部長 今回の台風第十九号によりまして、護岸の崩壊が秋川や南浅川など四河川十カ所で、また護岸等の一部損壊がその他の河川も含め多数発生をいたしました。
護岸崩壊箇所につきましては、被災後直ちに大型土のう等による応急対策に着手し、現在八カ所の応急復旧工事が完了いたしました。
また、護岸等の一部損壊箇所につきましても、順次補修を進めております。
17◯滝田委員 続いて伺いたいと思いますけれども、今回の補正予算による対応で復旧の早期化、こちらも図られますけれども、今後の河川の復旧見込みについて伺いたいと思います。
18◯小林河川部長 被災規模の大きい秋川の八王子市高月町とあきる野市山田の二カ所につきまして補正予算で対応するなど、全ての被災箇所につきまして、ブロック積み護岸等の本復旧工事を来年の出水期前までの完了に向けて取り組んでまいります。
19◯滝田委員 先ほど八王子市内で百五十カ所というふうに申し上げましたけれども、都内全域で河川護岸の損壊というのが約二百五十カ所あるというふうに聞いておりますけれども、今回の補正予算で対応する事業も含めまして、これら全てにおいて、来年の出水期の前までには本復旧をしていくということだと思います。
非常に頼もしい答弁だというふうに思いますので、しっかりと進めていただきまして、来年の出水期ということで、また雨がふえてくる時期にダメージを受けているところがあると二次災害ということにもなりかねませんので、何としても対応を完了できるように、現場のご努力があるというふうに思いますけれども、全力での取り組みをお願いしたいと思います。
また、早期の復旧を進めるとともに、今後の対策強化についても改めてお願いを申し上げたいと思いますが、先ほどもお話ししました防災対策の検証結果にありますけれども、河川の蛇行区間であったりとか、あるいは狭隘箇所などの検証を進めていくということが記載されておりますけれども、上流部においても、特に住宅であったりとか、あるいは避難所が河川のすぐ近くにあるという場面もありまして、人命への危険があるという場所につきましては、よく地元の自治体とも連携して情報収集いただきまして、検証に生かしていただきたいということもご要望をいたします。
次に、島しょ部の無電柱化について伺いたいというふうに思います。
まず、島しょの無電柱化について、台風十五号での被害状況について伺います。
20◯花井道路保全担当部長 台風第十五号では、観測記録を超える強風によりまして、倒木や飛来物が電柱、電線に接触し、電柱の倒壊や電線が断線したことにより、島しょ地域で約一万三千軒の停電被害が発生したと東京電力から伺っております。この停電によりまして、断水が発生するなど都民生活に甚大な被害をもたらしました。
こうした被害を受けまして、改めて島しょ地域を含めた無電柱化の取り組みの重要性が認識されたところでございます。
21◯滝田委員 今回の台風につきましては、地震だけではなくて、台風、豪雨に対しての電柱の脆弱性というものがあらわれたものであります。
また、特に島しょにおきましては、網目のようなネットワークというふうに電力供給のネットワークがなっているわけではありませんので、一部の断線で広域に停電被害が生じるということもあるんだろうということで理解をしております。
また、島内の幹線の道路が、例えば電柱倒壊で塞がれてしまうといった場合にも、代替路がないということもあり得るわけですので、こうした島しょ特有の状況ということも鑑みまして、台風あるいは地震による電柱の倒壊ということのダメージといいますか、影響が非常に大きいというのが島しょ地域であるんだろうというふうに思います。
そうした状況も鑑みまして、これまで以上に島しょの無電柱化推進というものを進めていくべきだというふうに考えますが、島しょの無電柱化をどのように進めていくのか方針を伺いたいと思います。
22◯花井道路保全担当部長 都では平成三十年三月に、条例に基づき、今後十年間の方針や目標を定めました東京都無電柱化計画を策定し、この計画におきまして初めて島しょ地域を整備対象に位置づけました。
島しょ地域におきましては、整備手法の検討や調査を進めるとともに、今回の補正予算で無電柱化推進のための地下埋設物の調査費を計上いたしました。
さらに、台風第十五号の被害を踏まえまして、島しょ地域における調査エリアを拡大いたしますとともに、甚大な被害を受けた大島海洋国際高校付近で、早期工事着手に向けまして準備を進めております。
引き続き、都内全域での無電柱化を積極的に推進してまいります。
23◯滝田委員 台風十五号の被害を受けまして、島しょ地域における工事の着手に向けて進めていただいているということですので、しっかりと進めていただきたいと思いますし、また、無電柱化計画におきましても、初めて島しょ地域について無電柱化の対象ということで、取り組みの拡大を進めていただいているという理解をしております。しっかりと今後も進めていただきたいなというふうに思います。
今回の補正につきましては、地中の状況について台帳を整理していくということで、今後の取り組みを加速するための準備ということだというふうに思います。
また、島しょ地域につきましては、区部、多摩とは道路環境、あるいは周辺の環境なども異なりますので、島しょ地域に適した方法、工期の早期化であったりとか、低コストに整備していく手法というものを確立する必要があるというふうに思いますので、しっかりとこの技術革新につきましても進めていただきたいということを要望いたします。
また、島しょ内のどこから無電柱化していくのかということについても、何が効果的かということについても考え方を整理していく必要があるというふうに思いますので、こちらについてもよろしくお願いしたいということを指摘いたしておきます。
次に、首都高速道路株式会社が行う高速道路事業の変更に対する同意の案件について伺いたいというふうに思います。
本件は、東京二〇二〇大会期間中のいわゆるロードプライシングに関する件と、横浜環状北西線の開通に伴って都心に至る二つのルート間での料金を調整する件の二件を含んでおります。
今回は前者に絞って質疑をしたいと思いますが、まず、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会におけるロードプライシングにつきまして、取り組みの経緯を伺いたいと思います。
24◯前田道路管理部長 都、組織委員会、国は、大会期間中の円滑な大会輸送と経済活動、市民生活の両立を図るため、企業や都民等の協力により、全体の交通量を低減する交通需要マネジメント、TDMや入り口閉鎖等の流入調整を行う交通システムマネジメント、TSMなどの検討を進めてきました。
検討を進める中で、大会関係車両が多く通行する首都高速道路での流動を確保する上で、企業や都民等の協力を求めるTDMでは交通量が減りにくいなどの課題が明らかになり、本年二月、国に対し追加対策検討の協力を要請いたしました。
その後、本年七月のTDM、TSMの交通対策の試行や国の検討結果を踏まえ、八月にパブリックコメントを実施し、十月に都と組織委員会が、東京二〇二〇大会における首都高速道路の料金施策に関する方針を策定いたしました。
25◯滝田委員 大会時の円滑な輸送ということで、首都高の活用というものはそもそも不可欠であったというふうに聞いておりますけれども、これまで交通需要マネジメントと交通システムマネジメントの両方の取り組みで試行してきたということで、さらにここから踏み込んだ施策が必要ということで、今回ロードプライシングを行うことに決めたという経緯であるということです。
今回のロードプライシングの導入におきましては、大会時の円滑な輸送を確保しながら、一方で、できる限り都民生活あるいは企業活動に影響を及ぼさないように交通誘導していくということが重要であります。
つきましては、当該ロードプライシングの施策概要と上乗せ料金、適用時間、適用車種について、どのような観点で設定をしたのかお伺いをしたいと思います。
26◯前田道路管理部長 料金施策に関する方針では、学識経験者を交えた交通輸送技術検討会による首都高速道路の流動を確保する効果、TSMなど交通規制を行う強度と影響、一般道での交通渋滞の発生などの影響の意見を受け、料金の経済的負担の度合いの観点などを考慮した上で、首都高速道路利用の夜間シフトを促進するため、夜間半額割引を導入するとともに、一般道から首都高速道路への転換を抑制するため、料金上乗せ額を千円と設定したとしております。
適用時間は、首都高速道路の時間帯別交通量と競技セッションスケジュール等を考慮して設定されております。
また、適用車両は、他の公共交通への転換が困難なトラックなどの物流車両を初め、タクシーなどの事業用車両、障害をお持ちの方が利用する車両などを料金上乗せの対象外としております。
27◯滝田委員 今回の取り組みにおきましては、物流事業者の方など、多くの都民や事業者の方々に協力をいただくことでありますので、関係者の方々に対して丁寧な説明、対応、こうしたものをオリ・パラ準備局など関係各局とともに行っていただくようにお願いを申し上げます。
一方で、これまで東京都におきましては、過去何度もロードプライシングについて検討を重ねてきたものの、導入に至ったことはありませんでした。また、全国的にも、迂回ルートの割引などはあるものの、交通総量の抑制であったりとか、あるいは夜間時間帯への交通量の平準化などの本格的なロードプライシングは私の知る限りございません。
今回の大会期間中の取り組みというものにつきましては、大変貴重な、あるいは希少なロードプライシングの社会実験であるという面もあります。大会後の定常的な実施の可能性ということも想定をして、東京都としてしっかりとノウハウの蓄積を行うべきというふうに考えます。
また、物流などの事業者との協力関係についても、大会後の取り組みに資する大きなレガシーであるというふうに思います。本来その点についても都の見解を伺いたいということでありますけれども、大会後の考え方につきましては、都市整備局の所管ということになりますので、ここでは意見にとどめますけれども、こうした観点について、都市整備局などともしっかりと連携して取り組むように強く要望した上で、私からの質問を終わります。